鰹節ができるまで
身近な食材でもどのように作られているか、意外にご存じない方も多いのではないでしょうか。
ここでは鰹節ができるまでの製造工程を簡単にご紹介します。
製造工程
01.解凍

まず入札で購入した冷凍鰹を解凍します。
解凍の時間は季節によって異なり、また、魚のサイズや鮮度、質なども見極めながら行います。この工程で上手く解凍できていないと次工程で綺麗に捌くことができないため、徹底した時間・温度管理を心掛けています。
02.生処理

解凍した鰹を弊社ではすべて機械にて捌いていきます。
尾(しっぽ)→頭→腹部を機械で切り、最後は人の手で内臓を綺麗に取り除きます。
そして生処理した鰹は煮籠に丁寧に並べ、次の工程へ進みます。
03.煮熟

生処理した鰹が入った煮籠を自動で釜に入れ、じっくりと煮熟します。
ここでも人の目で鮮度や質をしっかりと見極め、その魚に適した温度や時間をシステムで管理しながら煮ていきます。
04.骨抜き

煮あがった鰹は専用のピンセットを使用し、皮やウロコ、骨を除去します。骨は1本1本丁寧に抜くため、1番時間と手間がかかるとても大変な作業ですが、骨の抜き残しはクレームの原因になります。また、骨を雑に抜いてしまうと骨と一緒に身も取れてしまい、製品時の見映えも悪くなるため従業員一同、骨を1本も残さず綺麗に抜くことを徹底しています。
05.焙乾

骨を抜いた後は、薪を燃やした煙で燻します。
弊社の乾燥方法は焼津式乾燥機と急造庫の併用式で、急造庫では建物の1階が火床となっており、2~4階に鰹節や副産物を入れて1階からの煙で燻します。
この工程を終えたものを「荒節(あらぶし)」と言い、この状態で出荷するものもあります。
06.削り

全ての荒節ではありませんが、荒節の表面や血合い部分を研磨します。
製品によって削る割合が様々で、「削りすぎてもだめ、削らなすぎてもだめ」というとても技術がいる作業のため弊社では専門の職人が行っております。
この工程を終えたものを「裸節(はだかぶし)」と言います。
07.カビ付け

日本鰹節協会より購入したカビ菌を鰹節の表面に噴霧します。その後、温度と湿度が管理された室(ムロ)に入れ、カビを培養します。室に入れてから大体2週間程度で1番カビが付き、日乾もしくは熱風乾燥機でカビの働きを止めます。その後は培養と乾燥を繰り返して「本枯れ節」が完成します。
一般的に食品にカビというのは嫌われますが、このカビ菌を付けることで焙乾だけでは取り除けない水分を吸い出し、より固い節に仕上がります。また、カビの菌糸が脂肪分解酵素を分泌して中性脂肪を分解し、だしの透明度を高めてくれます。そのため、鰹節にとってカビ(優良種に限る)はなくてはならないものなのです。